裏付鉋と裏無し鉋の違い
削ろう会などのように、2ミクロン,3ミクロンなどの薄削りする場合、裏金の意味はありません。そもそも、数ミクロンの屑を引き出すには削る木材の条件が、大事になります。
広葉樹ではミクロンの屑を出すことは出来ません。針葉樹でも松、杉でも4ミクロン無理でしょう。可能の木材は、檜で、木材の水分量も大きく左右することでしょう。
裏金は、ご存じのように、逆目を止める為にあります。では、一枚鉋は、逆目が止まらないのでしょうか、止まります。裏金のない、裏無しの鉋台の刃口を確認してみてください。
刃口は鉋刃の仕込み勾配に沿って口が切られています。昔は逆目のおきない木材を削っていたから裏金はなかったなどといっている説明などがありますが、間違いです。木材には必ず逆目はあります。魚に鱗があるように、鱗も逆目と同じなのです。犬の背中をなでるのに、尻尾の方からなでる人はいないでしょう。外国の鉋には裏金はないのが普通です、でも、逆目はおきません。刃口が一枚鉋の刃口になっているからなのです。裏金のある鉋で正しく、裏合わせは出来ている人はいるのでしょうか。正しい裏合わせを確認するには、削ってみて、鉋屑が丸まって出たら裏金は合っておりません。屑が縮れて出たら、鉋刃と裏刃が合わせすぎになっております。裏合わせが上手く合っていますと、鉋屑は前に飛ぶようにでます。一般に裏合わせは髪の毛一本の差といっております。数値で申しますと、0、008㍉です。平鉋でしたら難しくないでしょうが。際鉋、丸鉋等は、刃物研で違いが出ます。刃、裏金合わせの難しさを考えますと裏無しの鉋が機能性が良いのではないでしょうか。