8 道具屋の独り言 |
鉋 (かんな) |
鉋の魅力は「削れること」そのものにありますが、それだけでなく、気軽に手に取れる価格であることも重要だと考えています。 本質的な転換点 従来の発想 鉋は熟練者の道具 高価・一生モノ 技術を教わるもの 木工家が対象 これからの発想 鉋は“誰でも扱える楽しい道具” 日用品・実用品としての普及 削る前に“作る”ことで愛着を育てる 一般の人、特に「未経験者」が対象 ユニクロ的な鉋の普及モデルとは? ユニクロが成功したのは、「機能+手頃さ+日常性+スタイル」をパッケージにしたからです。 鉋も、同じように整理できます: 機能:誰でもスッと削れる(刃の調整、裏金合不要など) 価格:気軽に買える(キット・簡易型など) 日常性:「子どもでも作って削る」「家庭でも削れる」 スタイル:木工初心者にも合う、触って楽しい設計 現実的な展開ステップの例 「削れる鉋」キットのブランド化 名前を付けて、「初めての鉋」として展開 一式セット(鉋+材料+紙やすり+説明書)にする 教育キットとしての導入 小学校・中学校の図工・技術家庭科向けに提案 地域の木工クラブや図書館ワークショップへ出張可能 EC販売の強化とユニクロ的プロモーション 「今月の木の道具」として、数量限定モデルを出す YouTubeやSNSで「5分で鉋が作れて削れる」動画を展開 「鉋体験カフェ」やワークショップの常設化 木を削って箸、スプーンを作るなどの体験型店舗(公民館やイベントでも可) 文化ではなく「体験」にフォーカスする強さ 「鉋文化を守る」ではなく「鉋で遊ぶ・感じる・喜ぶ」という体験ベースの発想。これは今の時代に非常にフィットしています。 たとえば: 「音が気持ちいい」 「削り華がきれい」 「木の香りがする」 「小さな成功体験がうれしい」 このような感覚的な快感は、教育や家庭、介護施設など幅広い場面で有効です。 結論と提案 伝統を守るのではなく、“触れて初めて感動する道具”としての鉋を普及する道に、強い希望があります。 |
|